サブタイトルが「労働時間を半分にして、生産性と収入を倍にする思考術」と強気なタイトルになっていますが、これは事実だと読んでみて思います。

もちろん読んだだけではできません。ワークをこなす必要がありますし、そのための努力が必要になります。何より「行動するんだ」と決意して、続けることがなにより大切。

社会人の方も社会人でない方も、「将来こうなる!」と夢が明確になっている方も「こうなれたらいいなぁ」とまだ明確になってない方も、とにかく「今を変えたい!」と強く願っている方は、読んでみる価値ありです。

人生をガラリと変えうる価値が、この本にはあると感じました。

フォーカル・ポイント=焦点をあてよう

追われ追われて

現代の社会人はいろんなことに追われています。仕事でも仕事以外でも。どちらかといえば仕事に追われていることの方が多いんじゃないかな。僕がそうでした。

そうこうしていると

  • 「自分、ホントは何やりたいんだっけ?」
  • 「自分、将来どうなりたいんだっけ?」
  • 「自分、最近やりたいことができてないなぁ」

など良くない方向に陥りがち。そうなると改善したくても時間が取れず、エネルギーが湧かず、最悪「自分、なんのために生きてるんだっけ?」となってしまうかもしれません。

仕事は大切です。でも、仕事以外のプライベートにも大切なことってたくさんあります。むしろすべてが同一の優先順位であるべき、と最近僕は思うようになりました。

では、どーしろと?

本書によると、人生や仕事の質を高めるためにできることはこうだ、とシンプルに書かれています。

  1. 重要なことを増やす
  2. 重要でないことを減らす
  3. 新しいことを始める
  4. あることを完全に止める

自分にとって大切なことに焦点を当てられるようになろう、ってこと。

実際よ〜く考えてみると、本来自分がやらなくても良いこと( or 良さそうなこと)を、やってしまうことはけっこうあります。だからこそ、自分にとって価値の低いこと、あるいは無価値な行動はできるだけ減らして、本当に価値のあることに注力しよう、と本書は説いてます。

このことは人生すべてにおいてだと僕は思います。そして、焦点を当てるための具体的なハウツーがこの本には書かれています。

「フォーカル・ポイント」の章構成と概要

  • 序章 最大の成果を生むポイントを見きわめよ
  • 第1章 潜在能力を解き放て
  • 第2章 生産性を倍増せよ
  • 第3章 すべてをシンプルにせよ
  • 第4章 思考を変革せよ
  • 第5章 戦略的に人生を設計せよ
  • 第6章 主体的にキャリアを築け
  • 第7章 プライベートを充実させろ
  • 第8章 経済的に自立せよ
  • 第9章 健康な体を作り維持せよ
  • 第10章 なりえる最高の人物になれ
  • エピローグ 21世紀を生きるための「7つの知恵」

第1章から第4章までは、簡単にいうと考え方のレクチャーです。焦点を当てるべき重要なことの見いだし方、生産性向上と成果を上げる考え方、思考力を鍛えるトレーニングなど。

第5章からは人生の大切な7分野についてどう考え、どう行動していくかが書かれています。その7分野とは以下のとおり。

  1. 仕事
  2. 家庭生活
  3. 資産
  4. 健康と体力
  5. 個人的成長
  6. 社会や地域
  7. 精神的成長・心の平穏

「どう行動していくか」については、もちろん読者次第で変わります。それは読者自身が本文中の問いかけに合わせて、やることを考えていくからです。

「フォーカル・ポイント」の4つのキーワード

「価値観」「ビジョン」「ゴール」「行動」、前述したどの分野においてもこの4つがキーワード。

キーワード1. 「価値観」

自分にとって「何が大事で、何が大事でないか」という判断基準。ものごとの優先順位づけの考え方ですね。

これをハッキリさせることはとても大切。

だって、自分の人生を生きてるのは他の誰でもない自分です。他人の価値観に沿う必要はありません。だからこそ、自分の価値観「これが大事なんだー!」ってのをハッキリさせることが最初の1歩。

キーワード2. 「ビジョン」

将来の理想像です。分かりやすくいうと目標ですね。夢といってもいい。

目標達成の期限はだいたい5年先を見据えます。これを挙げるときは「何もかもが完璧な状態であり、なんの制約もなく、実現できること」を前提にするのがコツ。

最初は難しいと思います。でもね、そうなっていることを想像しながら挙げていくと、だんだんワクワクしてきますよ。

キーワード3. 「ゴール」

目標を実現するための目安です。こーなったらOKという達成基準。有形ならモノを手にできたとき、無形のならその状態になれたときですね。

とても大きい目標の場合は工夫が必要。

例えば年収1億円が目標とすると、今の年収が500万だとしたら、けっこう遠い道のりですよね。ですから、5年後までに5000万、3年後までに2500万というように、ゴールを何段階も用意するのがベターです。

キーワード4. 「行動」

ゴールを決めたら、ゴールに至るまでの計画を立てます。いつまでに何を達成する、そのために今日はこれをやる、といった感じです。

行動とはゴールに到達するために1番役に立ち、毎日実行できるとをやっていくことです。そして、その計画に沿って愚直にコツコツとやり続けることです。本書から引用しますが、

何らかの行動を起こす人は、百の考えを学んで何も行動に移さない人よりも、はるかに価値ある人である。

何事もやんなきゃ意味ないってこと。

やる人は例え少しだとしても、その分だけ進めるし価値がある。ただ、「少しやった」を「ちょっとしか進まなかった・・・」と受け取るか、「ちょっとでも進んだ!」と受け取るかで、成長度合いはまったく違うでしょうね。

僕としてはこの追われ追われての時代、もっと自分に(人にもね)優しくなっても良いと思ってます。無理しすぎて身体や心を壊したってしゃーないじゃん?

だから、僕は後者の「イェイ」を感じながら成長していきたい。

どう考えていけばいいの?

さて、価値観やビジョンを書き出すとき、悩ましいのが「何を書けばいいのかわからない」ではないでしょうか?そもそも「なりたいビジョンもピンときません」もあるのでは?

心配ご無用。本書には、読者に向けた数々の問いかけが書かれています。それをトリガとして考えるのが良いでしょう。「仕事」の分野を例に本書から抜粋します。

  • 価値観
    「あなたの価値はなんだろうか?」
    「あなたは何のために働くのだろうか?」
  • ビジョン
    「5年後の理想の仕事や地位はどんなモノだろうか?」
    「多くの時間をどんなことをして過ごしているだろうか?」
  • ゴール
    「あなたの仕事の達成基準は何だろう?」
  • 行動
    「わたしにとって1番価値のある行動は何だろう?」
    「わたしはなにをやりとげるために雇われたのだろう?」

と、このような問いかけがありますので、まずは問いかけを受け、感じたことをそのまま書き出していくのが良いです。

僕はどうしてるか

僕はまだ具体的な計画までは落とし込めていません。これからです。

でも、今年の初めに「夢の棚卸し」をやって、ビジョンやゴールはだいたい出せています。僕の師、プロブロガー&作家である立花岳志さんのブログを参考にしました。

これらを参考に7つの分野ではなく、6本の柱で挙げました。

  1. 仕事
  2. 教養
  3. 財産
  4. 健康
  5. 家族
  6. 趣味/ライフスタイル

僕なりに「こんな風になってる」、「こんな風に生きてる」、「おいおい、こんなんよく書いたな!」って夢までニヤニヤしながら書き出しました。

今後は書き出した夢に、とりあえずの期限を設定することで、夢が目標に変わります。あとは年単位の中〜長期的な計画から、日、週〜月単位の短期的な計画を、ざ〜っくりと作っていきます。

エピローグにある言葉が1番響く

エピローグには、21世紀を生きるための「7つの知恵」が書かれています。この中で個人的に響いた言葉をピックアップしましょう。

第2の知恵:大切なのは、これからどんな人間になるかである

過去は過去。これまで出来ていなかったからって、この先も出来ないなんて誰が決めたんでしょう。これからも出来ないってことは、実はだーれにも分かりませんし、そんな決定も下されていません。

行動すりゃ変わります。僕が1年かけて10kgのダイエットに成功したように。

第5の知恵:あらゆる困難から、役立つ知恵を学ぶことができる

個人的に2015年は激動の年になります。これまでに味わっていない不安とも対峙します。でも、その不安もこの先を生きるための学びの種になる。ってことが書かれているんだと思います。

この言葉を読んで、すっと心が軽くなったのを覚えています。

第7の知恵:心の中で決めた限界が、唯一のあなたの限界である

結局、今の自分ってさ、積極的に選んだにせよ、選ばなかったにせよ「そう思っていた」から「そう」なっているわけです。

原因は外にはなくて内。つまり(全てがとは言いませんが)「そう」思ったら「そう」なるんです。

ですから、限界を上げるも下げるも自分の心次第ってことですね。

おわりに

最初に書いたとおり、フォーカル・ポイントは考えながら、ノートに書き出しながら読む本です。監訳の本田さんもそう書かれています。けっこう大変ですが、少しずつでもいいから、書きながら人生を変えられればステキですよね。

この本のすべてを一気にやるなんて、それだけで疲れちゃいますから、気になったことをひとつふたつ、それだけでも良いからやってみることをおすすめします。

フォーカルポイントに興味がある方はこちらから

この記事を書いた人

花村貴史|Takashi Hanamura

◆Photographer|木漏れ日や水、空が魅せるきらきらが好き|写真を通じて「やさしい世界」を伝えてゆく ◆Software Engineer|Private: Go/C++/WebGL|Work: SAP/SAC

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