今回はカメラの露出のお話。
感度分の16とは
「感度分の16」という言葉をご存じでしょうか?
これは写真家・渡部さとるさんが提唱されてる撮り方です。渡部さんの著書「旅するカメラ」に書かれているようですが、実は僕は本を持っていません。
・・・ん?
僕はどうやってこの言葉を知ったんだ?立ち読みした記憶もないんだけど。(いやホントに)
まぁ、さておきましょう(笑)
具体的にどんな撮り方か説明しますね。ちょうど引用されてる文章がありましたので、拝借させていただきました。「旅するカメラ2」からの抜粋です。
世界中、晴天なら太陽の光の量は一緒。晴れた日に写真を撮りたければ、絞りをf16まで絞って、シャッタースピードを「1/ISO感度」にセットすればいい。
ISO400のフィルムなら400分の1秒、ISO100なら100分の1秒だ。400分の1秒(100分の1秒)の設定がなかったら500分の1秒(125分の1秒)に合わせる。
シャッタースピードがちょっとだけ速くなって光を取り込める量が少なくなるから、絞りをほんの少し開けてあげる。具体的には500分の1秒(125分の1秒)で絞りはf11半(f11とf16の中間)となる。
これが晴れた日の光の量だ。僕はこの法則を「感度分の16」と呼んでいる。
イマドキのカメラでしたら露出計がついていますから、シャッター速度や絞りの設定とは気にしなくて良いです。「P」モードで撮ればまず間違いがありませんし、表現の幅を広げたくなったときにはじめてシャッター速度や絞りを意識すれば良いですから(「A」や「S」、「M」モードを使います)。
ただ、露出計がついてない時代のカメラを使っていた写真家さんは、ご自身の経験と勘、知恵などを総動員して露出を手動で計っていたんだと思います。
この「感度分の16」も昔から写真を撮ってこられたからこそのメソッドなのでしょう。
興味津々だから撮ってみた
天気に恵まれた尾道〜向島間をお写ん歩してたときにFUJIFILM X-T1とSIGMA DP1 Merrillで撮ってみました。なお、本記事に掲載している写真は特に断りがない限りすべて「感度分の16」で撮ったものです。
「感度分の16」で撮影した写真は「メリハリの効いた画になる」という印象。コントラストがはっきり・くっきり。空の青がすごく良い感じじゃないですか?スッコーンとした青空、素晴らしい。
このメソッドは「P」モードで撮っていてメリハリがないと感じたら試してみるのが良いと思いました。また、ちょっと暗いと感じたら絞りを開けても良いし、シャッター速度を遅くしても良いですね。
適宜調整して撮影を楽しめます。たとえば▼こちらは夕方にDP1 Merrillで撮ったもの。ただし、SIGMA Photo ProでX3 Fill Lightを+0.0〜+0.3してます。
ちょっと暗いと感じたので絞りをf11に開けて(=光を多く取り込む)撮ったのが▼こちら。うん、僕的にいい感じです。
ここ最近の僕はコントラスト低めの「ふんわり」表現に凝ってるので、そういうときは「感度分の16」は使えないメソッドです。
露出の復習になりました
「感度分の16」に沿って絞りやシャッター速度を一定にして撮ってみましたが、改めて良い勉強になりました。
カメラが取り込む光の量をコントロールするには、「絞り(f値)」「シャッター速度」「ISO感度」の3つを調整します。
普段は「A」の絞り優先モードにして、絞り開放(f値が一番小さい)にして撮っているので、今回のように絞りを調整して変化を体感することで、より光のコントロール法が頭に刷り込まれました。
というわけで、旅行中もただ遊んでいたわけじゃなく勉強もしてたんだよ、ってお話でした(笑)