Blender|Intel製AIノイズ除去機能「Intel Open Image Denoiser」を試す

20190829_0

長い期間かけて開発されたBlender 2.80がリリースされて程なく、2.81の情報が出始めました。今ホットなのは「Intel Open Image Denoiser」でしょう。

CyclesレンダーはSample数を増やすと綺麗な画像が生成されますが、レンダリング時間が増大します。逆にSample数が少ないとノイズだらけの画像になります。

Blenderにはもともとノイズ除去機能は搭載されてますが、Intelのノイズ除去性能は群を抜いているとのこと。

ということで、Blender 2.81デイリービルド(2019.8.28版)をダウンロードしてデノイズ性能を試したところ、たしかにすごいです。

※Blender2.81は現在開発中のため、今後仕様変更の可能性はあります。

設定方法

Intel Open Image Denoiserを有効にする手順は2つ。

  1. View Layerの「Denoising Data」のチェックボンクスをON
  2. Conpositingで「Denoiseノード」をつなぐ
20190829_1
View Layer → Passes → Data → Denoising DataをON

すると▼Render Layersノードの項目が増えます。

20190829_2

上図ではあれそれとノードをつないでいますが、最終的にRender LayersノードとDenoiseノードを以下のようにつなげばOKです。

  • Noisy Image → Image
  • Denoising Normal → Normal
  • Denoising Albedo → Albedo
20190829_3
上図ではNoisy Imageがいろんなノードを経由してDenoise側のImageにつながっている

Intel Open Image Denoiserのレンダリング結果

以前Sample300でレンダリングした以下のシーンにIntel Open Image Denoiserを適用します。

my5_dof-world-re4

Sample10/レンダリング17.74秒

20190829_4
左:元画像 / 右:Intel Open Image Denoiser

キラキラ・テカテカ感を増強しているシーンだからでしょうか、Sample10ではイマイチでした。

Sample80/レンダリング31.58秒

20190829_5

(左:元画像 / 右:Intel Open Image Denoiser)

うん、いい感じです。むしろノイズ感が減って好ましい結果になりました。

レンダリング結果を比較します。

Sample数レンダリング時間
元データ30072秒
Intel Open Image Denoiser8031秒

うん、こちらもいい感じです。

AIを有効活用することの恩恵は素晴らしい

Intel Open Image DenoiserやAdobe SenseiのようなAIを活用して利便性を増すような動きが活発だなぁと思います。

僕はPythonをやっているので、AIや機械学習などの言葉はけっこう身近に感じます。とはいえ、個人的にAIを開発したり、活用したりはしていませんけどね。

なんていうのかな。

過去のデータや学習したデータなどを有効活用することで、BlenderやAdobeのようにコンピューターに任せられる部分は多いに任せて、僕ら人間は表現することに集中できる。

これって人間だからこそできることにもっと注力できるわけですよね。

そういう視点でテクノロジを見ると、「AIに限らずテクノロジは素晴らしいものだな〜」と思うのでした。

余談:Denoiseノードの設置場所を変えたら?

今回の検証のように、Denoiseノードを最終出力手前ではなく、Render Layersの次に設置して、そのImageをもとにコンポジットしたらどうなるか?

結果は画質に大きな差はなく、レンダリング時間も誤差程度でした。

nnamm.work

こちらでも記事を書いています。Hugo製のエンジニア視点のブログです。

写真素材note発売中

継続課金マガジンで販売しています。ブログに載せるもOK、壁紙に設定するもOK、使い方は自由です。フリー素材も良いけれど、人と被りたくないという方に人気です。

この記事を書いた人

花村貴史|Takashi Hanamura

Software Engineer & Photographer/Golang、Python、C++を嗜み中。オシゴトはSAP。ポートレイトでは撮られることに慣れていない方を撮らせていただいてます。その人・その場の「空気感をそっとすくい撮る」写真が好評です。横浜育ち38年 → 信州移住2年半 → 2018年春から関西在住。2019年秋から夫婦生活スタート。

【お知らせ】出張撮影のご依頼、承ってます

あなたの行きたい場所に出張してポートレイトやプロフィール写真を撮影します。出張エリアは関西エリア(神戸・大阪・京都など)、関東エリア(神奈川、東京など)です。

★詳細:ポートレイト撮影(Photo Session)
★詳細:イベント撮影(Photo Shooting)

撮影予約可能日

【関西エリア】
・関西&土日祝日の撮影をお受けできます。ご依頼お待ちしています。

【関東エリア】
・未定

まずはお気軽にご相談ください