「家族連鎖のセラピー – ゲシュタルト療法の視点から」という本を読みました。ざっくりいうと、「自身の心の課題(のひとつ)は家族間・世代にわたって受け継がれてしまったもの」ということ。
だから、カウンセリングではファミリーコンステレーションという手法でクライアントの癒しを行うこともある。僕は(本家ではないと思うけど)その場を体験したことがあるからわかる。
『家族間・世代間にわたって受け継がれてしまったこともたしかにあるよね』と。
だから、この本を読んだとき「家族連鎖っていやだな」という感想を持った。連鎖そのものを良くないものと思ってしまった。
でも、この世は何事も表裏一体なのが常。家族連鎖でいや〜なことが繋がっている現実と、良いことが繋がっている現実が同時に存在する。
例えばさ、昔親にしてもらったことを思い出すとき、何度もその場面が出てくるならきっと強く心に残ったことだと思うんだ。楽しい思い出、嬉しい思い出、いろいろあるよね。
そうした「記憶と心」を考察してみると、親の親(自分の祖父母)のことがイメージできるかもしれないね。「おじいちゃんは昔こんなことを子供(自分の親)にやってあげたんだろうな」というふうに。
さて、そうした「記憶と心」を胸に秘め、自分が親になったとき、自分の子供には「強く心に残ったこと」そのもの、あるいは「それをベースにしたこと」をしてあげたくなると思うんだな。自然とね。だって、その「記憶と心」が楽しい・嬉しいという気持ちでいっぱいなのだから。
ってことは、良い意味の家族連鎖もぜったいにあるんだよね。
何事にも自分にとって良い面と悪い面があるわけじゃん。これは世代に関しても同じことが言えるのさ。見方を変えるだけで悪い面が良い面に変わることだって十分にある。
そんなことを考えたらさ、親だけでなく、ご先祖さん、ひいては全く想像のつかない初代花村さんにも愛情が芽生えてくるもんです。ありがとう。